わたしは前もって決めておいた場所に人目を避けて行き、辺りを見回し、自分一人であることを確かめると、ひざまずいて、心の願いを神に告げ始めた。わたしがそうし始めるやいなや、すぐにわたしは何かの力に捕らえられた。その力は完全にわたしを圧倒し、わたしの舌をしびれさせるほどの驚くべき力を振るったので、わたしは物を言うこともできなかった。深い闇がわたしの周囲に集まり、一時はあたかも突然の滅びを宣告されたかのように思われた。しかし、わたしは自分を捕らえたこの敵の力から救い出してくださるようにと、あらんかぎりの力を尽くして神に呼び求めた。すると、わたしが今にも絶望し、破滅に身を任せようとしたその瞬間、すなわち想像上の破滅ではなく、目に見えない世界から来た実在する何者かの力、わたしがこれまでいかなる者にも一度も感じたことのないほどの驚くべき力を持った者の力に身を任せようとした瞬間、この非常な恐怖の瞬間に、わたしは自分の真上に、太陽の輝きにも勝って輝いている光の柱を見た。そして、その光の柱は次第に降りて来て、光はついにわたしに降り注いだ。それが現れるやいなや、わたしはわが身を縛った敵から救い出されたのに気づいた。そして、その光がわたしの上にとどまったとき、わたしは筆紙に尽くし難い輝きと栄光を持つ二人の御方がわたしの上の空中に立っておられるのを見た。すると、そのうちの御一方がわたしに語りかけ、わたしの名を呼び、別の御方を指して、「これはわたしの愛する子である。彼に聞きなさい」と言われた。わたしが主にお伺いしようとした目的は、自分が加わるべき教派を知るために、すべての教派のうちのどれが正しいかを知ることであった。そこで、わたしは我に返って物を言えるようになるやいなや、わたしの真上で光の中に立っておられた方々に、すべての教派のうちのどれが正しいか(当時は、すべての教派が間違っているということなど、わたしの心に思い浮かびもしなかったからである)、また自分はどれに加わるべきかを伺った。すると、それらのどれにも加わってはならない、すべて間違っているからである、とのお答えであった。また、わたしに話しかけられた御方は、彼らの信条はことごとくその目に忌まわしいものであり、信仰を告白するそれらの者たちはすべて腐敗しており、「彼らは唇をもってわたしに近づくが、その心はわたしから遠く離れている。彼らは人の戒めを教義として教え、神を敬うさまをするけれども神の力を否定している」と言われた。その御方は再びわたしに、それらのどれにも加わることを禁じられた。また、ほかにも多くのことをわたしに言われたが、今はそれを書くことができない。わたしは再び我に返ると、自分が天を見上げて仰向けに横たわっているのに気づいた。光が去った後、わたしには力がなかった。しかし、間もなくある程度力を取り戻したので、家に帰った。そして、暖炉に寄りかかっていると、母がどうしたのかと尋ねた。そこでわたしは、「何でもありません。大丈夫です。元気です」と答えた。それから、わたしは母に、「長老派の教えは真実でないことが自分で分かりました」と言った。敵対する者が、わたしの生涯のきわめて早い時期に、わたしが彼の王国を妨げ悩ます者になると定められていたことに気づいたかのように思われる。そうでなければ、どうして闇の力がわたしに敵対して連合したのであろうか。どうしてわたしがまだ幼いときに、わたしに対して反対と迫害が起こったのか。
(高価な真珠 ジョセフ・スミス-歴史15-20節)
最初の示現で、神はジョセフ・スミスを預言者に召されたことを証します。
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